為替・株式相場見通し材料(テクニカル、イベント・12月5日~9日の週)

12月5日-9日の為替相場は、ドル高や円安の持続性と過熱調整をにらんだ展開となる。対ドルでの欧州通貨安、資源国通貨安、新興国通貨安についても、反動調整による買い戻しと根強い戻り売りが焦点になる。

ドル/円の週足テクニカルでは、上値メドとして一目均衡表の先行スパンの雲の上限114.40-45円前後、115.00円前後、117.50円の節目などが視界に入ってきた。フィボナッチ分析では、昨年6月以降の高値から安値の61.8%戻し115.58円前後、76.4%戻し119.51円前後などが焦点になる。
反対にドルの下値メドは、4週移動平均線111.04円前後、雲の下限110.24円前後、52週線108.96円前後などが注視される。先行き12月16週以降に雲の下限が横這い化している112.10円前後も、重要な下値ポイントになりそうだ。

週明けからは、米FRB幹部による講演が相次ぐ。前週末の米雇用統計などを踏まえて、改めて12月利上げの可能性が示唆されるとドルが下支えされやすい。
ただし、12月利上げについては、すでに織り込みも進捗してきた。今後は来年以降の利上げペースが焦点となっており、市場予想以上の利上げ回数が意識されてくると、先行き一段のドルの先高余地が広がっていく。

ただし、現状からの利上げ警戒の高まりは、米国の株価や経済への打撃懸念を喚起させていく。金利上昇やドル高の弊害も警戒されており、今後はFRBの利上げ加速が素直にドル高材料とならずに、リスク回避の円高を促す潮流変化にも注意を要しよう。同時に今後のFRB幹部の発言では、ドル高牽制も注目される。

8日のECB(欧州中銀)理事会がある。来年3月で債券買い入れの量的緩和(QE)が終了期限を迎えるため、今後の方向性が協議される。4日のイタリア国民投票の結果次第ながらも、現在の欧州ではユーロ安、原油反発、米新政権での経済対策期待などで、インフレの圧力がくすぶっている。その中で先行き緩和縮小が示唆される可能性もあり、その場合はユーロの上昇波乱を招く。

しかも現在は米国債発で、世界的に債券バブルの反動修正と金利上昇(債券価格は急落)が加速されている。その中でECBが先行き国債買い入れの縮小や漸進的な停止を示唆するようなら、世界的な金利上昇を後押しさせる。反対に現状からの緩和強化でもインフレ刺激となり、やはり金利上昇につながるジレンマを秘めている。
ECB理事会後に欧州発で金利上昇につながると、ユーロ高やドル高などの外貨上昇と円安要因となる反面、二次反応としては「世界的な景気ブレーキ」が警戒されて円高に振れる上下動の可能性もはらむ。

その中で来週は日本で日銀の黒田総裁、岩田副総裁による講演が予定されている。世界的な金利上昇圧力のなか、日銀が10年債金利のゼロ%前後での「クギ付け」誘導努力の堅持を示すと、改めて先行き内外金利差の拡大思惑を喚起させていく。日本では原油反発により、先行き輸入増加と経常黒字の減少も見込まれている。ドル/円、クロス円で円の戻り売り(ドルなどの外貨が下がれば押し目買い)の地合いが支援されやすい。

しかも原油相場は今年2月で底入れしており、来年2月以降の日本の物価指標は前年比での原油反発による上振れが有力になってきた。今年の物価下落を促してきたドル安・円高に関しても、足元で今年1-3月時のドル安値水準は回復しており、来年からは前年比での物価下落圧力が緩和されていく。加えて来年2月前後の春闘では、4年連続での賃上げ協議が進展しつつある。
来年前半にかけて、日本の物価が持ち直していくと、物価下落による円高圧力が緩和されていく(インフレは通貨安、デフレは通貨高の要因)。

同時に「名目金利-物価変動率」で算出される実質金利では、日銀の名目金利安定化策により、物価の緩やかな上昇は素直に実質金利を押し下げていく。日銀の異次元緩和は「実質金利押し下げへの働き掛け」を最大目標としており、実際に実質金利が低下に向かうと設備投資などの企業投資を刺激するほか、株価や不動産などの資産価格にプラスの効果をもたらす。同時に米国など海外での金利上昇との対比で金利差が拡大し、円安トレンドの基盤固めにもつながりそうだ。

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