FX値動き予想材料(11月21日~25日の週)

来週11月21日-25日週の為替相場は、ドル高や円安の持続性と過熱調整をにらんだ展開となる。対ドルでの欧州通貨安、資源国通貨安、新興国通貨安についても、一段のオーバーシュートと反動調整を見極める流れとなりそうだ。

ドル/円の週足テクニカルでは、上値メドとして60週移動平均線110.92円前後、一目均衡表の先行スパンの雲の下限111.72円、雲の上限115.63円前後などが視界に入ってきた。
反対にドルの下値メドは、52週移動平均線109.33円、200週線108.37円、40週線106.36円前後、基準線105.19円前後などとなっている。

来週の週明けからは、米FRBの幹部発言が注目されやすい。すでに前週までに12月の利上げは織り込みが進み、その過程でドル高が加速されてきた。現在の急激な金利上昇やドル高に対し、警戒発言が目立つようなら、スピード調整のドル安材料となる可能性をはらむ。
もっとも米国ではトランプ新政権の誕生により、来年にかけて財政出動やインフレ上昇の見通しが強まってきた。FRBの金融政策についても、来年については「現状の想定以上の利上げペース加速」が焦点となっている。これから来年の利上げ回数の増加や利上げ幅の大きさに対する関心が高まってくると、改めて「ドルが下がれば買い」という押し目買い地合いが支援される可能性を秘めている。

来週の注目材料としては、米国債市場での入札がある。すでに前週までに、米国債は金利の急上昇(債券価格は急落)が加速されてきた。その最中の米国債入札では、「高金利を受けた投資妙味」や「債券価格面での割安感」などから、一定の押し目買い需要が想定される。入札状況が懸念ほど悪くなければ、過熱調整的な米国債金利の低下(債券価格は反発)とドル安という短期シナリオが想定されよう。

もちろん、世界的に債券バブルの崩壊が警戒されるなか(金利急低下の反動)、米国債入札が低調な結果となるリスクも無視できない。その場合は米国債金利の上昇と一段のドル高という、オーバーシュートの波乱余地も残されている。

来週の為替相場では、米国の経済指標が注目される。最新11月指標ではトランプ新政権での経済対策期待や年末商戦の始動などにより、底堅い数字が期待されやすい。米国株やドルの高値推移を正当化させていくものだ。

ただし、10月までの指標は米大統領選警戒、11月指標については急激な金利上昇やドル高などが重石となるリスクも排除できない。米大統領選でのトランプ氏勝利以降、米国市場では米国の株高、金利上昇(債券価格は急落)、ドル高という「良いところ取り」相場が加速されてきた。そろそろご祝儀相場の一服とともに、金利上昇とドル高が米国株や米国経済の回復にブレーキをかけ、それが調整ドル安の材料に跳ね返るという次なる相場フェーズにも注意を要する。

しかも米国では24日から感謝祭の休日を控えている。年末決算対策とあいまって、前週までのドル高や円安に対する一旦のポジション手仕舞いや利益・損失の確定などが注視されそうだ。
日本でも23日は感謝祭の休場となる。日本休場の場合、ちょっとした悪材料の浮上で「リスク回避の円高仕掛け」が活発化するパターンが少なくない。前週までの急激なドル高や円安には過熱懸念が高まっており、反動揺り戻しのタイミングは常に警戒を要する手探り相場が続く。

一方、日本に関しては、日銀による長期金利の上昇抑制策に注目が集まる。前週は米国債金利の急上昇を受けた日本国債の金利上昇に対し、日銀が「指し値オペ」で無制限の国債購入姿勢を明示させた。結果として日本の金利上昇は抑え込まれ、米国など海外の金利上昇との対比で内外金利差が拡大。ドル/円、クロス円での円安や、日本の株高地合いが維持されている。

来年に向けて世界的に金利上昇や中央銀行の金融緩和後退ムードが高まるなか、今後も日銀による「10年債金利のゼロ%前後でのクギ付け政策」が有効機能すれば、先行き内外金利差の一段の拡大が見込まれる。同時に対世界での相対的な日本の金利低下は、日本株の魅力を高めていくものだ。
先行き日銀の長期金利上昇抑制策には投機的な攻撃リスクや失敗リスクがあり、綱渡りの政策対応が続く。それでも前週のように有効機能している限りは、来年にかけて円安と日本の株高をオーバーシュートさせていくエンジン役として注目されよう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です